臨済宗中興の祖と称される江戸中期の禅僧である白隠禅師が
 禅の修行のしすぎで 禅病といわれる重病にかかられました。
  そのご自分の病気を治されるのに いろんな方法を実践され
 克服された方法を 後に 夜船閑話(やせんかんな)という本に
 書かれています。
  
  丹田呼吸法や頭寒足熱等々 いろいろな方法が書かれているのですが
 その中から 軟酥(なんそ)の法をご紹介したいと思います。

  インターネットで検索していただくと動画もあったり
 説明されている記事があるかとは思いますが
 今回は 大法輪7月号に書いてあった 読み下し文を引用
  させていただきます。

 

まず、色も香りも清浄な軟酥(乳を煮詰めて作ったバターのようなもの)の
 鴨の卵大のものを、頭のてっぺんにおいたと想像する 
 その絶妙な風味が 頭蓋から浸みこみ 段々と 浸みわたり下ってきて、
 両肩から左右の腕、そして両乳、胸郭の間。さらには肺、肝臓、腸、胃、
 そして脊梁骨。臀骨へと次第に浸みていく。
 
 こうして浸み流れるときに、胸の中につかえた五臓六腑の気の滞りや
 その気水の滞りに起因する痛みは、それとともに、
 水が舌に流れつくように、あいありとその模様を感じ取ることができよう。
 そして体中を巡り流れ、双脚を温め潤し、足心に至って止まる。

 
  ちょっとわかりにくい部分もあるかもしれませんが
  なぜか この記事は紹介だけで解説が なかったので^ー^
  考えてみました。

  これは 今でいうところの イメージトレーニングかと思います。
  先駆けですね。
  軟酥というのは どうも滋養強壮なものとして 上流階級で
  食べられていたもののようです。まあそれは置いておいて
  仏様から頂いた 万病の薬とイメージしたらいいかなあと
  思います。
  その薬が 頭から じわーっとしみ込んでいく 身体の内側
  内蔵まで しみわたっていく、そして 身体の悪いところを
  治していく、、

   最初は 足の裏から 黒い 悪いものがでてくるかも
  しれませんが それが だんだん 白くなっていき
  最後は無色透明になって すっかり 治っていく、、、


   本には 呼吸法などいろいろ合わせて書いてありますが
  この軟酥の法は  比較的挑戦しやすいかと思いますので
  ご興味があれば 試してみてください。

                          慈元